前橋競輪は荒れる?カント36度・捲りの決まり手32.4%を10年データで検証
前橋は335mバンクで、カントは36度。335mの短さに加えて、かなり傾斜のある走路です。捲りが気持ちよく決まり、高配当も増えそうなイメージがあります。
ところが、過去データで一番高い払戻になったのは捲りではなく差しでした。捲りの決着は32.4%、平均配当15,952円。差しは35.3%、平均配当18,952円です。急なカントがあるから捲りで荒れる、と簡単には言えません。
得点1位の選手は、逃げタイプなら3着以内82.6%と残りやすく、差しタイプなら4着以下34.9%まで増えます。前橋のカントが捲りや払戻にどう表れたのか、本命のタイプとラインの位置まで比べてみましょう。
レース結果を当サイトのデータベースで整備し、独自ツールで条件を組み合わせて集計した結果です。ガールズの数字は、ほかのレースと混ぜずに集計しています。本文の基本成績・得意戦法・ライン位置は、S級・A級・チャレンジの数字です。
- 対象期間:2016-01-01〜2026-07-24
- 調べたレース数:7,022レース
- バンク:335m・みなし直線46.7m・カント36°0′0″
- 全国・同型場の平均は、対象場の集計値を場ごとに平均した参考値です。
- 割合は指標ごとに分母が違うため、分子・分母と一緒に読みます。
ここにあるのは過去の結果です。次のレースの着順や払戻を約束する数字ではありません。当日の出走表と条件を比べながら使ってください。
前橋競輪が荒れやすいのか、335mバンクとカント36度の特徴を出発点に、決まり手と払戻から調べます。
捲りが本当に増えているのか、得点1位の選手がどの戦法を得意にしていると残りやすいのか、ラインの位置で結果が変わるのかも比べます。
前橋競輪のカント36度で、捲りは本当に増える?
前橋の1着の決まり手は、逃げ32.3%(2,236/6,917レース)、捲り32.4%(2,240/6,917レース)、差し35.3%(2,441/6,917レース)でした。捲りは逃げとほぼ同じで、差しが少し上回っています。
335mの同型場と比べると、捲りは前橋32.4%に対して平均34.5%。むしろ2.1%低い数字です。逃げは32.3%で、同型場平均28.7%より3.6%高くなっています。カント36度という印象だけで、前橋は捲りが特別に多いとは言い切れません。
払戻を見ると、捲りの平均配当は15,952円、中央値4,765円、1万円以上31.7%。差しは平均18,952円、中央値4,670円、1万円以上32.4%でした。捲りは差しより中央値が少し高いものの、平均と1万円以上は差しが上です。
| 決まり手 | 決着割合 | 平均配当 | 中央値 | 1万円以上 | 同型の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 32.3%(2,236/6,917レース) | 8,290円 | 2,040円 | 17.6% | 28.7% |
| 捲り | 32.4%(2,240/6,917レース) | 15,952円 | 4,765円 | 31.7% | 34.5% |
| 差し | 35.3%(2,441/6,917レース) | 18,952円 | 4,670円 | 32.4% | 36.8% |
1着の決まり手が分かったレースの数字です。
前橋競輪は荒れる?得点1位の選手の4着以下は27.9%
前橋で得点1位の選手として集計したのは、出走選手の中で競走得点が単独で最も高かった選手です。人気順位ではありません。6,987レースを振り返ると、1着は39.2%(2,737レース)、3着以内は72.1%(5,037レース)、4着以下は27.9%(1,950レース)でした。
3連単1万円以上は27.4%(1,902/6,934レース)で、同型場平均30.2%より3.5%低い結果です。得点1位の選手の4着以下も27.9%で、同型場平均28.7%より0.8%低くなっています。場全体の数字だけなら、前橋は特別に荒れる場とは言いにくい結果です。
それでも、急なカントと335mの短さが、選手の得意戦法やラインの位置と組み合わさったときに別の数字が出るかもしれません。ここからは、前橋で本命が残るタイプと崩れるタイプを追います。
| 項目 | 前橋 | 比較・意味 |
|---|---|---|
| 3連単の平均配当 | 14,647円 | 同型場平均 17,285円 |
| 3連単の中央値 | 3,670円 | 同型場の場別中央値平均 4,122円 |
| 3連単1万円以上 | 27.4%(1,902/6,934レース) | 同型場平均 30.2% |
| 得点1位の選手が1着 | 39.2%(2,737/6,987レース) | 本命が勝ち切った割合 |
| 得点1位の選手が3着以内 | 72.1%(5,037/6,987レース) | 本命が車券内に残った割合 |
| 得点1位の選手が4着以下 | 27.9%(1,950/6,987レース) | 同型場平均 28.7% |
同じタイプの競輪場の中央値は、各場の中央値を平均した参考値です。
前橋競輪の平均配当14,647円。中央値3,670円との差に注意
前橋の3連単平均配当は14,647円、中央値は3,670円でした。5,000円未満は57.6%(3,992/6,934レース)、1万円以上27.4%、5万円以上6.3%、10万円以上2.3%です。普段の払戻は3,670円付近にあり、大きな払戻が平均を押し上げています。
平均配当だけなら高配当に見えても、中央値まで同じように高いわけではありません。決まり手別では捲りの中央値が4,765円、差しが4,670円で、捲りは普段の払戻の水準では少し上に出ています。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 平均配当 | 14,647円 |
| 中央値 | 3,670円 |
| 5,000円未満 | 57.6%(3,992/6,934レース) |
| 1万円以上 | 27.4%(1,902/6,934レース) |
| 5万円以上 | 6.3%(438/6,934レース) |
| 10万円以上 | 2.3%(158/6,934レース) |
払戻が分かった6,934レースを分母にしています。
前橋競輪のS級は配当も本命着外も高め
S級の平均配当は20,648円、中央値6,265円、1万円以上38.6%(626/1,622レース)、得点1位の選手の4着以下33.6%(554/1,650レース)でした。A級は平均14,261円、中央値3,750円、1万円以上26.1%、4着以下28.3%です。
チャレンジは平均10,357円、中央値2,300円、1万円以上20.6%、4着以下26.0%。ガールズは平均10,553円、中央値1,995円、1万円以上20.4%、4着以下10.5%でした。S級だけ本命の着外と高配当が同じ方向へ動いています。
前橋のカントを理由に捲りだけを狙うなら、まず級班もそろえる必要があります。S級の捲りとチャレンジの捲りは、同じ『捲り』でも払戻も本命の残り方も別の数字です。
| 級班 | 平均配当 | 中央値 | 1万円以上 | 本命4着以下 | 同型の平均配当 |
|---|---|---|---|---|---|
| S級 | 20,648円 | 6,265円 | 38.6%(626/1,622レース) | 33.6%(554/1,650レース) | 21,691円 |
| A級 | 14,261円 | 3,750円 | 26.1%(870/3,331レース) | 28.3%(950/3,352レース) | 17,986円 |
| チャレンジ | 10,357円 | 2,300円 | 20.6%(314/1,526レース) | 26.0%(397/1,526レース) | 11,519円 |
| ガールズ | 10,553円 | 1,995円 | 20.4%(90/442レース) | 10.5%(47/446レース) | 10,921円 |
級班ごとに分母が異なります。
前橋競輪で得点1位の選手が残るのは逃げタイプ。差しタイプは4着以下34.9%
得点1位の選手を、出走時点から直近4ヶ月の逃げ・捲り・差しの回数で3つのタイプに分けました。いちばん多かった戦法をそのレースのタイプとし、タイプごとの本命の成績と払戻を並べています。
前橋で最も残ったのは逃げタイプでした。1着58.2%、3着以内82.6%、4着以下17.4%、平均配当8,142円です。捲りタイプは3着以内76.3%・4着以下23.7%・平均配当8,109円、差しタイプはそれぞれ65.1%・34.9%・9,665円でした。
急なカントで捲りが決まりやすいという仮説を考えても、得点1位の選手の成績では逃げタイプが一番安定しています。捲りタイプは差しタイプより残りますが、差しの決着全体ほど払戻は高くありません。前橋では、カントの印象と本命の数字がそのまま重ならないところがポイントです。
| 得意戦法 | 対象 | 1着 | 3着以内 | 4着以下 | 平均配当 | 1万円以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 1,300 | 58.2% | 82.6% | 17.4% | 8,142円 | 16.3% |
| 捲り | 1,163 | 48.5% | 76.3% | 23.7% | 8,109円 | 14.8% |
| 差し | 3,455 | 26.2% | 65.1% | 34.9% | 9,665円 | 19.3% |
得点1位の選手が1人に絞れたレースを集計しました。得意戦法は、出走時点からさかのぼった4ヶ月間の回数で決めています。
S級・A級・チャレンジで、前橋の捲りと差しはどう変わる?
S級では、捲りタイプの得点1位の選手の4着以下が31.3%、平均配当7,298円。差しタイプは36.1%、7,983円、逃げタイプは25.6%、7,082円でした。捲りは逃げより着外が増えますが、差しタイプほどではありません。
A級では、捲りタイプ19.8%・平均7,904円、差しタイプ34.1%・10,048円、逃げタイプ19.0%・7,505円。チャレンジでは、捲りタイプ20.4%・10,126円、差しタイプ35.2%・11,034円、逃げタイプ12.6%・9,330円でした。
S級・A級・チャレンジのどれでも、差しタイプの得点1位の選手は4着以下が多く、平均配当も高めです。前橋で荒れ方を考えるとき、捲りの決まり手だけでなく、差しタイプの本命が崩れたときの払戻まで追う価値があります。
| 級班 | 得意戦法 | 対象 | 4着以下 | 平均配当 | 1万円以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| S級 | 逃げ | 160 | 25.6% | 7,082円 | 15.9% |
| S級 | 捲り | 387 | 31.3% | 7,298円 | 12.8% |
| S級 | 差し | 961 | 36.1% | 7,983円 | 15.7% |
| A級 | 逃げ | 654 | 19.0% | 7,505円 | 15.2% |
| A級 | 捲り | 565 | 19.8% | 7,904円 | 15.5% |
| A級 | 差し | 1,854 | 34.1% | 10,048円 | 20.0% |
| チャレンジ | 逃げ | 486 | 12.6% | 9,330円 | 17.7% |
| チャレンジ | 捲り | 211 | 20.4% | 10,126円 | 16.6% |
| チャレンジ | 差し | 640 | 35.2% | 11,034円 | 22.3% |
30レースに届かない組み合わせは載せていません。
前橋競輪でライン先頭の差しタイプは、4着以下37.1%
前橋のライン位置を集計すると、先頭の逃げタイプは4着以下16.9%・平均配当8,090円でした。先頭の捲りタイプは23.6%・8,250円、差しタイプは37.1%・10,332円です。
差しタイプの得点1位の選手が先頭を走ると、逃げタイプより4着以下が20.2%多くなりました。平均配当も2,242円高く、前橋の急なカントがどうこうと決める前に、得意戦法とラインの役割が合っているかを確かめたくなる数字です。
番手・3番手では、差しタイプの4着以下が34.1%・平均配当9,476円、捲りタイプは25.0%・6,957円でした。逃げタイプは対象38レースで4着以下28.9%となっているため、参考値として扱います。
| 位置 | 得意戦法 | 対象 | 4着以下 | 平均配当 | 1万円以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 先頭 | 逃げ | 1,260 | 16.9% | 8,090円 | 15.9% |
| 先頭 | 捲り | 1,035 | 23.6% | 8,250円 | 14.9% |
| 先頭 | 差し | 758 | 37.1% | 10,332円 | 18.6% |
| 番手・3番手 | 逃げ | 38 | 28.9% | 9,858円 | 28.9% |
| 番手・3番手 | 捲り | 128 | 25.0% | 6,957円 | 14.3% |
| 番手・3番手 | 差し | 2,692 | 34.1% | 9,476円 | 19.4% |
ラインの位置が分かった対象レースを集計しています。
前橋競輪の荒れ方を読むなら、捲りの多さより『誰がどこで捲るか』
前橋はカント36度の335mバンクですが、捲りの決着は32.4%で、同型場平均34.5%より低い数字でした。捲りが多いから荒れる、とは言いにくい結果です。
一方で、得点1位の選手が差しタイプで先頭にいると4着以下37.1%、平均配当10,332円。差しの決着全体も平均18,952円、1万円以上32.4%でした。前橋の荒れ方は、カントの角度だけでなく、当日のラインで誰が先頭を走るかに表れています。
出走表では、得点1位の選手の直近4ヶ月の得意戦法、ラインの先頭か番手・3番手か、S級・A級・チャレンジのどれかを見てみましょう。捲りが届く並びなのか、差しタイプの本命が先頭で苦しくなりそうなのか。過去の数字と当日の形が近いところだけを材料にしてください。
前橋競輪は荒れる?カント36度でも、数字は一方向ではない
前橋の3連単1万円以上は27.4%、得点1位の選手の4着以下は27.9%でした。同型場の平均より大きく荒れているわけではありません。カント36度という強い特徴があっても、場全体の数字だけで荒れるとは言えない結果です。
捲りは同型場平均より多くなく、差しの平均配当は捲りより高い。得点1位の選手では逃げタイプが残りやすく、差しタイプが崩れやすい。前橋の面白さは、バンクから想像する捲りのイメージと、データに出た本命の残り方が少しずれているところです。
急なカントを理由に買い目を決めるのではなく、当日の得点1位の選手のタイプとラインの位置を見てください。前橋の過去データが予想に役立つのは、その数字と出走表の形が重なったときです。
過去の割合は、次のレースの着順や払戻を約束する数字ではありません。バンクの形だけで決まり手の原因を断定せず、当日の級班、車立て、ライン、得点1位の選手の位置を見てください。