競輪予想において、最も安易かつ危険な思考停止は「とりあえず競走得点1位から買う」ことです。
特に平塚競輪場のような「直線が長く、差しが決まりやすい」バンクでは、本命選手がどのクラスで、どの戦法を取るかによって、信頼度が天と地ほど変わります。
本記事では、約10年間・5,000レース以上のデータを解析。平塚バンクにおける「本命(競走得点1位)」の正しい扱い方を、根拠ある数字とともに解説します。
平塚競輪における「本命」の定義と全体信頼度
まずは、全クラス合計のデータから、平塚における「競走得点1位選手」の基礎体力を確認します。
39.4%
標準的な信頼度
60.4%
2回に1回以上は連対
72.2%
軸としての安定感あり
競走得点1位の勝率は39.4%|全国平均と比較しても標準的な信頼度
全5,370レースの集計結果によると、競走得点1位の選手が1着を取る確率は39.42%です。
10回に4回しか勝てないという数字は、単勝や1着固定で買い続けるには心許ない数値です。平塚は「差し有利」なバンク特性上、ゴール前での逆転劇が起きやすく、最強選手があっさり敗れるケースも珍しくありません。
3連対率は72.2%|「3回に1回」は車券圏外に飛ぶリスクを考慮する
3着以内に入る確率(3連対率)は72.18%です。
これは、本命選手を車券から完全に外す(消し)戦略を取ると、約7割の確率でハズレ車券になることを意味します。軸としての信頼度は高いものの、逆に言えば「約30%(3.5回に1回)は車券圏外に飛ぶ」という事実は、高配当を狙う上で重要なヒントになります。
回収率を左右する「本命が勝つ条件」と「消える条件」の全体像
「勝率39%」という全体平均は、あくまで平均値に過ぎません。これをクラス別、戦法別に分解すると、勝率70%を超える「鉄板条件」と、勝率20%台に落ち込む「危険な本命」が明確に浮かび上がってきます。
| 項目 | 回数 | 確率 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 1着(勝率) | 2,117回 | 39.42% | 標準的。過信は禁物 |
| 2着以内 | 3,242回 | 60.37% | 2回に1回以上は連対 |
| 3着以内 | 3,876回 | 72.18% | 軸としての安定感はある |
| 着外 | 1,494回 | 27.82% | 約3割は飛ぶリスクあり |
【クラス別詳細】本命の信頼度が劇的に変わる「階級の壁」
平塚バンクでは、クラスによって本命の強さが全く異なります。「ガールズとチャレンジは本命」「S級は波乱含み」という傾向がデータにはっきりと表れています。
【超鉄板】ガールズ得点1位は3連対率88.5%!逆らい厳禁の絶対軸
平塚のガールズケイリンにおいて、得点1位の選手は圧倒的です。勝率は61.71%、2連対率は79.28%、そして3連対率は驚異の88.51%に達します。
ラインのないガールズ戦では実力差がそのまま結果に直結しやすく、平塚の広いバンクも実力者が力を発揮するのを後押ししています。ここでは「本命に逆らう」ことは、統計的に負けに行くのと同じです。
【ドル箱】チャレンジ戦は実力通り!勝率・連対率ともに最高水準
チャレンジ戦(A級3班)の本命選手も極めて優秀です。
特に「逃げ」の決まり手を持つ得点1位選手の勝率は70.6%、3連対率は89.9%を記録しています。若手有望株が力でねじ伏せるケースが多く、ここも「本命1着固定」で点数を絞るべきドル箱レースと言えます。
【注意】S級戦の本命勝率は37%台まで低下|混戦になりやすい傾向
一方、最高峰のS級戦では信頼度がガクンと落ちます。
得点1位の勝率は37.38%まで低下し、2連対率も58.60%と6割を切ります。実力が拮抗している上に、ラインの駆け引きが複雑化するため、本命選手といえども安泰ではありません。S級戦では「本命が負ける展開」を常に想定する必要があります。
A級戦は全体平均に近い数値|展開とライン強度が勝敗を分ける
A級1・2班戦の本命勝率は37.42%とS級とほぼ変わりませんが、3連対率は70.70%とやや低めです。
S級ほどの実力安定度がなく、チャレンジほどの実力差もないため、展開一つでコロッと負けるケースが散見されます。ここはデータよりも「ラインの並び」や「展開予想」が重要になるクラスです。
| クラス | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 | 狙い目・対策 |
|---|---|---|---|---|
| ガールズ | 61.71% | 79.28% | 88.51% | 【鉄板】 1着固定で絞る |
| Ch (逃げ) | 70.60% | 81.70% | 89.90% | 【超鉄板】 逃げ本命は銀行レース |
| S級 | 37.38% | 58.60% | 70.75% | 【波乱】 1着固定は危険 |
| A級 | 37.42% | 58.69% | 70.70% | 【混戦】 展開依存度が高い |
S級本命の落とし穴|「差し(番手)」より「自力」が勝つ逆説
一般的に「平塚は差し有利」と言われますが、本命選手に限っては「自力(逃げ・捲り)」の方が勝率が高いという興味深いデータが出ています。
自力型本命
(逃げ・捲り)
勝率 約50%
差し型本命
(番手)
勝率 30.4%
S級「差し」本命の勝率は30%!番手戦の信頼度は意外に低い
S級戦で、戦法が「差し(追い込み)」の選手が得点1位だった場合、その勝率は30.4%に留まります。
番手選手は、前の自力選手が不発だった場合に共倒れするリスクがあり、また自力選手が強すぎて差せない(マークのままゴール)ケースもあります。「本命の番手選手だから勝てるだろう」という安易な予想は、平塚S級では通用しません。
S級「逃げ・捲り」本命の勝率は50%前後|平塚は自力型本命が強い
対照的に、S級でも自力で戦う本命選手は強力です。「逃げ」の勝率は49.3%、「捲り」の勝率は51.0%と、差し型本命よりも約20ポイントも高くなっています。
平塚は直線が長いものの、S級の実力トップ選手が自力を出せば、簡単には捲られません。S級で本命を買うなら「自力型」を狙うのがセオリーです。
データが示す真実|「S級は差し有利」だが「本命の差し」は過信禁物
バンク全体のデータでは「差し」の決まり手が多いですが、それは「本命以外の選手が穴をあける(差す)」ケースも多く含んでいるからです。
本命視されている追い込み選手は、オッズで過剰人気になりがちですが、勝率は3割程度。ここを嫌って(2・3着付けにして)高配当を狙うのが、データ派の賢い戦術です。
| 戦法 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 49.3% | 66.7% | 76.4% | 自力ある本命は強い |
| 捲り | 51.0% | 70.5% | 78.5% | 最も信頼できる軸 |
| 差し | 30.4% | 49.3% | 65.5% | 勝率低迷。2着候補か |
| マーク | 25.6% | 41.5% | 64.6% | 1着は期待薄 |
最強パターン発掘|勝率70%を超える「鉄板条件」
平塚で「銀行レース」と呼ばれる、極めて勝率が高い条件をピックアップしました。この条件が揃ったら、大きく勝負に出るチャンスです。
- チャレンジ戦 × 3車ライン × 逃げ本命
勝率73.7%。ラインの厚みで後方を完封。 - A級戦 × 単騎(1車) × 逃げ本命
勝率74.1%。警戒されにくい単騎の逃げが決まる。 - ガールズ × 捲り本命
連対率80%超。広いバンクで不発なし。
| クラス | 条件 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| A級 | 単騎(1車) × 逃げ | 74.1% | 85.2% | 90.7% |
| チャレンジ | 3車ライン × 逃げ | 73.7% | 86.8% | 90.8% |
| チャレンジ | 逃げ (全体) | 70.6% | 81.7% | 89.9% |
ライン構成と本命の信頼度|「2車ライン」の本命は疑ってかかれ
ラインの長さ(車の数)は、本命選手の勝率に直結します。特に「2車ライン」の本命は危険信号です。
魔の「2車ライン」|S級番手本命でも勝率は10%台に低迷
ラインが2車(2人)の場合、後方からの攻撃を受けやすく、ラインごと潰される危険性が高まります。
データによると、S級の2車ラインでは、ラインでのワンツー決着(1-2着独占)率がわずか8.59%しかありません。本命選手がこのラインに含まれていても、ライン決着を狙うのは無謀です。
ラインの長さによる勝率変化|3車・4車ラインの先頭本命は信頼度アップ
対照的に、ラインが3車、4車と長くなるほど、先頭を走る本命選手の勝率は上昇します。
チャレンジ戦の4車ラインでは、上位2着独占率が73.68%にも達します。ラインが長ければ長いほど、本命ラインの信頼度は盤石になります。
別線が強力な場合の判断基準|相手ラインの強度と本命の勝率相関
本命選手のラインが3車であっても、相手(別線)も強力な3車ラインを形成している場合(3分戦など)は注意が必要です。
しかし、相手が「2車ライン」の寄せ集めであれば、本命ラインの優位性は揺るぎません。「自分のラインの長さ」と「敵ラインの長さ」を比較することが重要です。
| クラス | 2車ライン | 3車ライン | 4車ライン | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| S級 | 8.59% | 23.62% | 27.27% | 2車は危険 |
| A級 | 9.62% | 22.27% | 50.00% | 長いライン有利 |
| チャレンジ | 8.19% | 34.25% | 44.74% | 3車以上で鉄板 |
データから導き出す「平塚本命」の具体的な買い方
これまでのデータを踏まえた、平塚競輪における実践的な車券戦術です。
- ガールズ:オッズが低くても的中率でカバー。
- チャレンジ戦:特に逃げ選手は絶対的。
- S級番手:勝率3割。1着より2,3着の確率が高い。
- S級2車ライン:別線の食い込みが濃厚。
ガールズ・チャレンジは「本命1着固定」で点数を絞る勇気
ガールズとチャレンジ戦(特に逃げ選手)は、勝率60〜70%超えの世界です。
ここは「本命が負けるかも」と弱気になるのではなく、「本命1着固定」で相手を絞り、少ない点数で厚く張るのが正解です。オッズが低くても、的中率の高さでカバーできます。
S級「番手本命」は2・3着付けが配当妙味を生む高配当パターン
S級戦で得点1位が「番手(差し)」の場合、勝率は30%程度しかありません。
しかし3連対率は65%以上あります。つまり「勝てないが、2着・3着には来る」のです。
おすすめは、本命選手を2着や3着に固定した3連単です。1着には同ラインの先頭選手(逃げ残り)や、別線の自力選手を入れることで、本命絡みでも万車券に近い配当を狙えます。
風向きと本命信頼度|バック向かい風が「自力本命」に与える影響
平塚は海風の影響を受けやすいバンクです。バックストレッチで向かい風が強い場合、いくら本命の先行選手でも体力を削られます。
風が強い日は、S級の「逃げ本命」の評価を下げ、番手選手や捲り選手の評価を上げる調整が必要です。
まとめ:平塚競輪で本命を信じるべき3つの鉄則
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クラスを見て「軸」か「ヒモ」かを即座に判断する
ガールズ・チャレンジは1着軸、S級は連対軸。 -
S級戦では「追い込み」のみの得点トップを過信しない
差し型本命は勝率3割。2・3着付けで高配当を狙う。 -
ラインの厚みを確認し、2車ラインならスジ違いを狙う
2車ラインのラインワンツー率は10%以下。別線との絡みが必須。
平塚競輪は「風」と「ライン」のバンクです。個人の点数だけでなく、その選手が置かれた状況(ライン長・ポジション)をデータと照らし合わせることで、固いレースと荒れるレースを明確に見分けることができるでしょう。